2012年05月12日

玄のツモと手牌をちょっとだけ試してみた(実験)


 玄の手は遅いのか、速いのか。
 実際の所やってみないとわからないと思ったので、やってみた。


 玄の手の作り方

阿知賀04gg.jpg

 1.赤ドラ4枚を抜く(五萬赤五筒赤五筒赤五索赤の4枚)
 2.ドラを決め、そのドラも抜く
 3.抜いたドラと合わせ、合計30枚か31枚になるよう山を作る
 4.その山から配牌の13枚を取り、残りのツモも全部そこから
 

 これで玄の配牌とツモが疑似体験できる。
 結構簡単!


 で、試しに10回やってみたのが以下。


 ※テンパイ時の捨て牌は横に曲げています。リーチしているわけではありません。また待ちを変えた場合も、その時の牌を横にしています。


 

【01】 ドラ 南

 結果:17順目に四枚目の南を引いて和了れず。
 捨て牌:九索八索西八筒三萬一萬九萬六索六筒横七索六索六萬五萬八萬北六萬南が来て降り
 テンパイ形:一萬二萬三萬五萬赤六萬七萬五筒赤五筒赤三索四索南南南
 感想:最後の一枚に五索赤がいやがった!

 感想2:……って書いていたんだけど。実はこれ、カンして良いんだ。気づかなかった……。普通に二索五索をツモる形がある……というか、五索赤残ってるんだし。



【02】 ドラ 一萬

 結果:十六順目に五索ツモ。ツモイーペーコードラ7で倍満(16000点)
 捨て牌:西北九萬三筒二索一筒二索一筒横二索六索横九萬八筒八筒五萬二萬の後に五索ツモ!
 最初のテンパイ形:一萬一萬三筒三筒四筒四筒五筒赤五筒赤五萬赤六萬七萬五索赤六索
 二番目のテンパイ形:一萬一萬一萬三筒三筒四筒四筒五筒赤五筒赤五萬赤六萬七萬五索赤
 感想:これ8順目に四索七索テンパイしてるけど、捨て牌からは読めないと思う。
 感想2:でも、二順後に一萬引いて待ちの変更を強いられたのは痛い。結果ツモれたのはいいけれど、こういうのがあるから玄はリーチをかけられないんだろうなあ。



【03】 ドラ 發

 結果:9順目に降り
 捨て牌:一索八筒一萬二萬三筒九筒七索三筒の後4枚目の發を引いて終了
 その時の手牌:三萬五萬赤二筒三筒四筒五筒赤五筒赤六筒五索五索發發發
 感想:終了と思って打ち切ったんだけど、感想を書いている時に、間違いだと気づいた。六筒切れば良いんだ。もし次四萬引いてきたら發をカンして五索赤引きを狙える。



【04】 ドラ 四筒

 結果:11順目でテンパイするも13順目で降り
 捨て牌:八萬北南一萬二筒二索三索一筒二索二筒東横九索九筒四筒を引いて終了
 テンパイ形:四筒四筒五筒赤五筒赤六筒六筒五索五索赤七索七索七索三萬五萬赤
 感想:これも諦めて打ち切ったけど、六筒を対子落としして、五筒五索四萬辺りを引いてくれば良いんだよなあ。あー……本気で玄の打ち方に慣れてないな。



【05】 ドラ 東

 結果:ノーテン(17順目に東を引いて降り)
 捨て牌:西九筒一筒白八萬三萬三筒發八索九萬二萬六索南發北東を引いて降り
 降りた時の手牌:五萬赤六萬二索二索五索赤六索四筒五筒赤五筒赤六筒東東東
 感想:一応、二索の対子落としして四萬四索五筒などを引いてくる和了形があるけど、まあこれは残りが無いので変わりない。



【06】 ドラ九萬

 捨て牌:二索八索二萬四萬
 途中の形:六萬七萬九萬九萬九萬五索六索七索五筒赤五筒赤六筒中中
 判断保留:この形は中が出たら絶対に哭くので参考としてここでストップした



【07】 ドラ一索

 結果:降り
 捨て牌:中七索白六萬横七筒四筒四索六索北二筒五索赤を引いて降り
 テンパイ形:一索一索一索一索二索二萬三萬四萬四萬五萬六萬西西
 感想:一九字牌がドラで、序盤に四枚揃っちゃうと辛いなー……。



【08】 ドラ 五萬

 結果:十四順でテンパイも流局
 捨て牌:南一索西一索東九萬二筒北九萬中南九筒三索一萬七索横七筒一索一索
 テンパイ形:五萬五萬五萬五萬赤六萬七萬三筒四筒五筒赤五筒赤六筒七筒五索赤
 感想:哭けたら簡単! とは言え哭かなくてもあがれるかなと思って止めずにそのままツモってみた。でも、和了れず。惜しい。



【09】 ドラ八筒

 結果:八順目にタンヅモドラ5で跳満(12000点)
 捨て牌:九萬四萬七索七萬横東白八萬六筒ツモ
 テンパイ形:二索二索七筒八筒八筒八筒八筒二萬三萬四萬五萬赤六萬七萬
 感想:インチキ−、インチキ−。



【10】 ドラ二萬

 結果:17順使って流局
 捨て牌:西九萬中八索九萬發八筒九索九萬東南南一筒六萬横二索北西一索
 テンパイ形:二萬二萬二萬二萬三萬四萬五萬五萬赤五筒五筒赤五筒赤五索赤七索
 感想:これも哭ければ簡単だった。



 全体的な感想

 10回中6回が一九字牌のドラってなんやねんっ!(本来、確率的には38%) 
 役牌がドラだと上がりやすいかも、と思っていたけど、4枚目引きが怖い。
 カンすると危険なケースがあるもんな。


 以下、各論。


  玄の捨て牌から待ちを読めるか?

 よく言われているのが、玄はドラが全部入ってくるんだから、手の内バレバレだろという意見。
 これずっと疑問だったんだけど、やってみて確信した。

 玄の手の中を読むのは無理。

 例えば【02】。捨て牌から四索七索待ちと読むのは無理。
 例えば【09】。捨て牌から六筒待ちと読むのは無理。


 というか挙げたサンプルどれかでもいいから、玄のテンパイタイミングと待ち、手牌の形を読める人がいたら尊敬する。たった十個だが、それくらい色々なバリエーションが出てきた。

 玄の手は読みやすいだろ、なんて言えるのは、超能力者だけ。
 【09】なんて、五筒赤五索赤使わずに和了ってるんだし。五萬五筒五索が手の中にあること前提で読んでしまうと、まず解らない。


  玄から狙い撃てるか?

 これも、無理だと思う。
 十七順の捨て牌を見てもらえればわかるけれど、狙い撃てるようなものじゃない。

 普通の人の捨て牌と違うのは、字牌が少ないこと。
 これには理由があって、ドラと赤ドラで手牌とツモを8枚占拠しているので、相対的に字牌の枚数が下がる。


  守備は強いか?

 若干弱い。
 というのも、ドラが切れないので、要するに常時2回哭いたのと似たような打ち回しになる。(怜が、「ドラ(ゴン)ロー(ド)さんは手が窮屈そうや」と言ったのがそれ)

 また、先にも書いたがドラ専有のお陰で、配牌+全ツモにおける字牌の割合が少ないため、安全牌の割合が少なくなる。
 憧が言うように終盤に危険牌がこぼれやすい。


  和了回数について

 こんなもんでしょ。

 10回やって2回の和了は少ないよねー、と思う人はだな……。
 試しに31枚の山を作って、ツモだけでどこまでいけるかやってみるとわかる。
 17か18回のツモなら、2〜4回しか和了れないのが普通。

 ただし、一九字牌がドラの時、四枚目を引いて終了のケースがあって、その分だけ玄は和了りづらくなっている。


  テンパイ速度について

 サンプル10回では、速いのも遅いのも普通のもあった。
 正直、速いか遅いか解らない。

 んだけど……。
 次書く理由から、結構速いケースも目立つ。


  同じ牌が3、4枚来るということ

 同じ牌が3、4枚来て1メンツ確実というのはすごい楽。
 もしかすると、思われている以上にテンパイ速度は速いかもしれない。

 というのも、136枚から31枚の山を作るよりも、ドラ固定4枚+27枚の方が配牌のシャンテン数が良い。
 配牌で揃っていなくても、ツモを考えればテンパイ速度が速いだろうし。(地味に、五筒赤二枚=頭も見込めるというのも大きい。


 ただし、四枚目のドラを引いて終了というケースがあるので、どうやっても和了れない局が少しある。なので、焼き鳥(全局和了れない)が普通の人より高い確率でありそう。
 実際、第一話で和と穏乃あたりと戦った時、一度も和了れなかったみたいだし。


  何が来るかも少しわかる

 ツモは基本的に17か18回。
 その内残りのドラが確実に来る。

 玄視点からすると、「17回のツモの内、数枚は最初からわかっている」ことになる。
 これは、結構大きなアドバンテージ。

 例えば、二索四索六索なら迷わず二索を落とせばいい。牌整理で有利なので、もしかするとトータルで、普通の人よりも若干速い可能性すらある。(実際、10回やって4順目テンパイが2度)


  相手の考察

 今まで気づかなかったんだけど、玄が赤ドラとドラを専有するってことは、2から8の中張牌がドラだったら、他の三家とも「無駄な字牌を引く確率が若干高くなる」……。枚数的に言えば、18回のツモの内、だいたい1枚から2枚程度字牌が増える。

 ……これ、地味に大きいよ。
 テンパイ速度が結構落ちる。

 ただし、安全に降りれる牌が増えるから、ほんの少し玄が振り込む確率が上昇する感じに。
 また、流局率も上昇する感じに。


  打点との得失点差からの考察

 今回、2回の和了が両方成功したとして、プラス28000点。
 和了れなかった8回すべて4000点ずつ振り込んだする。それでマイナス32000点。(玄がドラを独占している分、相手の打点も低いと考え、一律4000点とした)

 合計すると4000点のマイナス。
 ……なんだけど。

 実際には降りれるし、全部振り込むわけがない。
 また、【06】【08】など、途中で哭けるならもっと和了れていたと思う。

 なので、プラスで終わる可能性が高い気がする。

 あと、私の打ち方のミスが……ね……。
 途中でこれ無理やー、って諦めた奴、なんやねん……。


 トータルとして

阿知賀05t.jpg

 よく言われている項目だけど、

 ・玄のテンパイを読むのは簡単か? → 無理
 ・守備は弱いか? → 若干弱い
 ・テンパイ速度は? → 普通くらい?


 という感じ。
 この実験は一人で簡単にできるので、雀牌持っている人は試してみて。


 2012年08月28日追記
 試された方がいらっしゃいました。
 nix in desertis:松実玄の能力で打ってみたに、四人打ち形式で進めた感想が掲載されています。


 関連記事:玄の能力は超絶チート、伊達に阿知賀の先鋒じゃない
 関連記事:「阿知賀のドラゴンロードシミュレータ」で「対戦相手」をシミュレートしてみた


 
posted by 真鯛 at 12:05 | Comment(11) | 特殊能力、打ち筋の分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これはすごい。すごく面白い。
人に教えてみたくなりますな。私も自分で試してみよう。
Posted by at 2012年05月12日 16:08
おためしあれっ
Posted by 管理人 at 2012年05月12日 21:24
EDみたらわかるけど、16枚(カンドラ含)+4(赤ドラ)+11枚で山を作らなあかんのや
ドラが王牌(だれもツモることのできない牌)に行くかどうかで変わるけど

他の考察も面白かったです
Posted by at 2012年05月22日 13:35
コメントありがとうございます。
カンドラをどうするかは悩んだのですが、今回はほとんど考えないことにしました。

おっしゃるとおり、扱いが難しいんですよねー……。
カンした後のドラも全部玄のところに行くのか(それを踏まえて他人のところには最初から潜在的なカンドラが全部いかないのか)、というブラックボックスもあり、物凄く複雑になってしまうので。

とりあえずこのまま掲載したいと思っています。
Posted by 管理人 at 2012年05月22日 14:48
はじめまして。

面白い考察ですね
これは凄いなぁ
やっぱ超能力者じゃないと待ち読めないのかぁ
Posted by at 2012年05月25日 01:50
 ありがとうございます。
 実験だけなら結構簡単にできるので、お暇でしたら是非。

 実戦と同じく、終盤、他家の捨て牌と手持ちから玄が持っていない牌を限定できれば、ここかここだろうな……と絞れるケースはあると思います。でも、基本的には読めないと考えています。
 玄、字牌を通常より引かない分、思われている以上にテンパイ速いですしね。
Posted by 管理人 at 2012年05月25日 12:52
有志の方が作られたシミュレータを発見したのでやってみました。
平均聴牌速度こそ遅めですが一手での期待値は魔物級の子達にも勝らずとも劣らない筈なので
玄ちゃん自身がコントロールしきれていないことを示唆しているのではないかと思いました。
Posted by at 2012年05月28日 21:05
 玄ちゃーは一撃必殺という感じですが、魔物級と当たれば牌の支配が絡んできますから、どうしても分が悪いという感じなのかもですねー。
 あと、怜に対しては何度考えても相性が悪いと思います。
Posted by 管理人 at 2012年05月29日 19:00
実践は偏見に勝りますね。面白かったです。

私の見る玄ちゃんの欠点は、実は中途半端に打ち方がスタンダードなところ。最終的にドラを引くのに2378辺りを引っ張って終盤でこぼれるパターンが多いんですよね。考察にある通り、246なら先に2を切るなどの工夫をするだけで、スピードや振り込み部分は改善される気はしますね。
Posted by jj9 at 2012年08月17日 11:00
初めまして。
私も真似て打ってみましたので,ご報告します。この記事はとても参考になりました。
http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/52087880.html

やっぱり強いですね玄ちゃん。
Posted by DG-Law at 2012年08月28日 20:03
jj9さま
 漫画とアニメの玄ちゃーは、自分の特性を生かせていない打ち方をしてますよねー。槓になっちゃうように残してしまったり、5がくるとわかっていながら、そのまわりのリャンカンをのこしてしまったり。
 もう少し自分のツモを意識して打てば、もっと凄くみえるのでしょうが……。


DG-Lawさま
 記事拝見いたしました。
 紹介ありがとうございます。
 やっぱり、玄ちゃん強いですよねー。
 実際にやると化け物級の能力で、素人だと圧殺される感じになると思います。

 この記事からもちょこっと追加で紹介させて頂きますね。
Posted by 管理人 at 2012年08月28日 22:09
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