2013年02月23日
長野県決勝戦における「花」の咲と「月」の衣
長野県大会決勝で、咲と衣の二人は対比されている。
と聞いてすぐにピンとくる人は、ライバル構図を解析するのが好きな人かもしれない。
以下、咲と衣の対比について少々。
■ 海底と山頂の戦い
今更言うまでもなく、衣の得意技は「海底」摸月。
そして、咲の得意技は「嶺上」開花。
海底と山頂の対比であり、ライバルの二人は真逆の属性を与えられている。
(こういう正反対の属性を持つ二人はライバル関係である場合が多い。火と氷の術者が真正面から激突するあれ。同様に、同じ属性の二人が戦う場合も多い。火の術者と火の術者が、「俺とお前、どっちが本物かハッキリしようぜ」的なあれ)
■ 月(1筒)と花(5筒)という象徴牌による決着
長野県決勝における古役については、咲-Saki-の大将戦に登場した古役と、そこから浮かんでくる五筒と一筒に込められた意味についてという素敵な記事を書いてくれた人がいるので、そちらを見ていただくとして。
一筒摸月という古役がある。
は月であり、衣の象徴である。
五筒開花という古役がある。
は花であり、咲の象徴である。
そして、この二牌は長野県決勝後半戦南四局において象徴的に使われた。
衣が月であるを捨て、咲が最終的にの嶺上開花で和了った。
勝負が決まる最後の和了にふさわしい牌譜と言える。
さて、この月と花、このような牌譜だけではなく、実際にキャラの言葉に出てきている。
それが、竹井久による次の台詞。
■ 花天月地
「花天月地ね」
もちろんこの言葉は、咲を花に見立て、衣を月に見立てた言葉。
そしてもう一つが衣の台詞。
この台詞は、部長が使った「花天月地」を更に展開したものだと思われる。
衣は部長の言葉を聞く機会などないが、作者がメタなお遊びとしてキーワードを合わせている。
(と言うか、そうでなければわざわざ「天に地に」なんて語呂の悪い台詞を使うはずがないと思うし。なお、台詞のゴロの悪さと作者が使いたいキーワードについては東横桃子と加治木ゆみシナリオに関する一考察の最後の方でちょこっと述べた。興味がある人は)
■ まとめ
二人ともツヨかわいい。
■ おまけ:穏乃の象徴は「山」
阿知賀編19話でわかったことだが、穏乃は「山」を象徴として持つ。
これ、意味としては相当重いと思っている。
「山頂の花」を司る咲に近い属性を与えられているということだから。
(最初の方に書いたように、似た属性を持つ二人はライバルとして戦う可能性が高い。だからこそ、「私の倒すべき相手だ」なんだとオモタ)
咲-Saki- 1/8 天江衣
二索を槍に見立てて「二索槍槓」というものだったらしい。
っていうかやっぱり二人が和了ったやつは古役だった。
確信がなかったからどうしようもなかったけどこの記事でなんかスッキリしました
ちなみに、だからこそ、加治木ゆみのアバター(ファンタジーっぽい衣装)は槍にデザインされたんだと思います。
同じ主人公としての共通点としても、ライバルとしての対比としても面白そうです。
もっとも、全国準決勝は、脇の二人が物凄く強力ですが……。
体育系少女と文学少女 っていうのもよく考えれば正反対ですね
衣が花鳥風月や風化雪月という名前に"月"と"花"の両方入った古役を和了るのは、咲が萎縮して衣の独壇場になっているのを表してたり。
池田をちょうど0点にするために手を安くした時、自身の象徴である一筒を手出しすることで手抜きを表してたり。
終盤の咲の連続和了時に、徐々にカン数が増えるだけじゃなく五筒開花や一筒カンをすることで、咲が衣の支配を抑えて力を強めてるのを表してたり。
『咲』は萌えとか能力麻雀で揶揄されがちだけど、キャラ作りや構成の巧さは本当に凄い。
ふへー……。
その三つは言われて初めて理解しました。
素敵な考察ありがとうございます。
いやはや、すごいです。