咲における能力取得に関する色々三回目。
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■ 「能力者」のドラマに比例する強さ
中盤以降能力者は理由なく能力が備わっているケースが多いと書いた。
では、そんな中盤に入ってなお、能力取得の理由やドラマが語られる能力者はどうか?
当然、他のキャラよりも描写が多いことになり、大体の場合、強力な能力を発揮することが多い。
これは、強い能力=目立つキャラ=描写を強化することでキャラの魅力を上昇=ドラマを与えて付加価値を増大、というキャラクター論的な意味合いもあるが、能力習得に説得力を与えるシナリオ的な意味合いがより強いと考えている。
阿知賀編で能力習得の理由が明確に描かれたのは二人。
独りは松実玄。母親の助言が影響していることが、軽くではあるが触れられた。
もう一人は園城寺怜。死線を超えた後、一巡先が見えるというエピソードが語られた。怜の場合、『怜-toki-千里山編』といわれるほどの活躍を見せることになる。(竜華&怜による「膝枕の神召喚」も、竜華の能力というよりは怜の能力だと思うし)
逆にいえば、能力取得が語られない白糸台の「部活系能力者」三人が、あまり良くない扱いを受けているのもドラマ性のなさゆえなのかもしれない。(弘世菫も渋谷尭深も能力それ自体は強いはずなんだけど……)
■ 最強レベルの能力者には理由やドラマが与えられる
同じ能力者の中でも「最強」の能力者は他の能力者を駆逐してしまう。
最強なのに努力もエピソードもなく、いつの間にか得ていたなんて卑怯だ、という印象を与えないためにも、最強の能力を得るに至るエピソードや、得ていても納得できる何かとあわせて語られることが多い。
咲において、きちんと描写された上で「最強レベル」に値するのは現状、宮永咲、天江衣、宮永照の三人。(龍門渕透華、大星淡、小鍛治健夜は、能力を使った闘牌シーンが少ないので現時点では除外)
この三人には実は共通点がある。
簡単に言うと、
1.「能力持ちの血筋」なこと。
2.「親族、あるいは近い人を喪っている(らしい)」こと。
もしかすると、小林立さんは、この2番目のドラマが好きなのかもしれない。
というのも、阿知賀編の主人公側の能力者、松実姉妹も母を失うエピソードが与えられているのだ。
■ 松実姉妹の喪失
松実宥、松実玄の姉妹も「親族を喪った血筋」として描かれている。
「喪失」が咲のドラマ足りうることを踏まえれば、二人が強い力を持っているのは当然といえる。
松実玄は大きく点を失ったが、支配能力を持たない中では最高級の能力が与えられている。(松実玄の強さだが、能力者の中でも園城寺怜と石戸霞以外には勝てる気がする。あとは東横桃子と複数試合やると負けるかも。二戦目以降がまったく捕まえられない可能性が高いので。哩&姫子のコンビは個人戦っぽいものにも応用できるか不明なので除外)
そして、松実宥は、ほぼデメリット無しの高級能力者。
「何かを失った者」が何かしらの力を得ているというのは、各種「神話」の時代からのお約束なので解説はしない。(隻眼や隻腕だったり、両親を殺されたり、子供を殺されたりした後に、何かを成し遂げる神や英雄は多数)
■ まとめにならないまとめ
少なくとも今までは「親族あるいは近い誰かを失っていること」が「最強」の能力者のエピソードとして描かれているケースが多い。これは小林立さんの好みなのかもしれない。
ただし、これからはさすがにエピソードが被る印象を与えるので、これ以降の「最強」は、別の方向性のドラマやエピソードが語られると考えている。
最強候補の小鍛治健夜と大星淡に関しても、これから何かしらのエピソードが語られると思われる。と言うか語って欲しい。格好いいし。
ただし、何の過去エピソードもなく、ただただ「最強」というのもそれはそれで格好いいので、それになる可能性もある。(なんとなく、無能力者最強クラスの愛宕洋榎がそうなのかな……と思っていたり)
と、以上、ざっくり「最強」の能力者に与えるエピソードの、咲における傾向について。
多分、あと一回だけ、この能力取得についての色々思うことを書き連ねる予定。
環境や性格が与える能力や特徴について。
……と書いてたけど、1年放ったらかしにしたら何書きたかったか忘れた……ごめん。
2013年01月25日
ソースは無いよ