2013年08月27日

『根こそぎフランケン』における綾牌の重ねあわせ

 ここの管理人の大好きな麻雀漫画に『根こそぎフランケン』があるんだけれど、竹井と田村の闘牌描写のところで、咲における池田の7ピンのような綾牌が存在する。


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 以下、ネタバレ……というか、根こそぎフランケンを読んだ人しかわからない記事を。


 竹井と田村における「中」という牌

 「世紀末ギャンブル黙示録編」で、最初に竹井と田村が戦った時、竹井は中ドラ1で先制した。
 その時、田村がとがめて言う。

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「今の局は誰もテンパイしていなかった そういう状況であんたは中ドラ1をアガるような軽い麻雀をする奴だったのかって聞いてんだよ」


 竹井の中鳴きによる軽い仕掛けは、田村に咎められる。
 以降、竹井対田村戦では、「中」の鳴きがキーワードになる。


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 竹井対田村の再戦。
 軽い中鳴きを咎められたのを見返すように、中鳴きでマンガンを和了る竹井。

 それにより、田村も竹井を認めるような発言をする。


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 中盤での山場。
 竹井による大三元の仕掛けは中から。


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 そして、竹井が一矢報いる時の和了が中。
 最初に引用した画像で言っていたのと対比させるかのように、軽い仕掛けでも田村の逆転手を蹴るような仕掛け。


 偶然?
 いや、これは作者が意図したのかもしれないと思っている。


 そもそもこの戦いをやっていたお店の名前が「中」なわけで。


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 田村における「發」

 竹井対田村において象徴されるような牌は他にもある。
 竹井が「中」なのに対して、田村は「發」。


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 最初出会った時に勝ち切ったのが、發単騎のチートイツ。


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 再戦時、竹井の「中」での和了の次に同じくマンガンツモを返したのが「發」がらみ。


 ただし、負けの要因となるキー牌も「發」絡みになってしまう。


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 多分、この「發」も、竹井のこの戦いにおける象徴牌である「中」に対抗して、意図的に重ねられてる……と思う。


 竹井対田村における「6マン」という綾牌

 あと、竹井対田村の戦い全般において「6マン」が綾牌にされている。


 そのことを説明する前に、まずは簡単な用語説明。
 「綾牌」とは、マイナーな(?)麻雀用語で、その日に妙に目立つ牌みたいなもの。あるゲームで「3ピン」で振り込み、あるゲームでは「3ピン」を残したおかげで和了れ……という風に、結果的にその日のキーポイントになった感じの牌のことをいう。


 以下、6万が登場したシーンを幾つか。


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 2マンか8マンか

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 それからもう一つ。
 序盤、竹井と田村の運の分岐点となるのが、脇のプレイヤーが2マンを切るか8マンを切るか悩むところなんだけれど、この2と8というのが多分、最終決着でアヤとして取り入れられている。


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 竹井はすでに和了っている形から、2マンを切って8マンを即ヅモで和了る。
 先ほど紹介した、2マンを切るか8マンを切るかの状況と重ねられている……と思う。


 問題は……。

 以上紹介してきた牌の重なりは偶然かもしれないということ。
 というのも、こういった重なりは竹井対田村戦でしか見られないのだ。
 (重なりが好きな作者は他のシーンでも重ねてくることが多い。例えば、『咲-saki-』は、このブログでもたくさん紹介してきたように、対比や構図の重なりが妙に多い。これとかこれとかこれとか。なお、こういった構図の対比は意外に多くの漫画で見られる。……そのほとんどが誰にも指摘されず、そのまま埋もれちゃうんだけれど……)


 まあ、ともあれ。
 『根こそぎフランケン』は麻雀漫画としては面白い部類に入る(と言うか、ここの管理人が頻繁に読み返す麻雀漫画のうちの一つ)作品だと思うので、気になる人は読んでみて。



posted by 真鯛 at 00:00 | Comment(0) | 麻雀漫画考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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