と、いうわけで。
照れ隠しに伊豆大島つながり──ビビッドレッドオペレーションの考察を簡単に。
■ ビビッドレッド・オペレーションにおける「墜落」の対比
主人公の一色あかねは一話スタート時点では高所恐怖症。
それでも、木から落ちた小鳥の雛を巣に戻そうとするやさしさがある。(胸元に雛)
これが最初の墜落と救出。
高所恐怖症は母親が大けがをしたことが原因。
この後、高所から落ちて母親は重態。
あかねはトラウマを植え付けられる。
1話の見せ場はその高所恐怖症にもかかわらず、あおいを助けに飛び降りるシーン。
これらで描かれた「墜落と救出」というテーマは、それ以降の話でも現れる。
7話の最後、あかねがアローンの攻撃を受けて墜落していくシーン。
これ、おそらくは1話との対比。
1話で助けられたあおいだが、7話ではあかねが落ちていくところを助けられない。
このことが頭にあると、7話最後のあおいの表情アップがより深く理解できる。
また8話でのあおいの超頑張りにより強く感情移入できる。
12話であおい、わかば、ひまわりの三人が離脱するシーンが落ちていくシーンになっているのもこのテーマの延長であり応用。1話の鳥の雛から始まる「落ちる=助けようとする」の連鎖がここで一旦断ち切られ、あえて助けずに前に進むあかねが描かれる。
それにより、れいを助けようとする思いの強さが浮き彫りになる。
そして、れいとの再会のシーン。
あかねが下方に飛んだ果てに、助けを求めているれいがいる。
(降下=トラウマのはずだが、それを超えてもれいにたどり着きたいという願い)
以上、ビビッドレッドオペレーションにおける「墜落と救出」をテーマに抜き出し。
一度二度見ていただけなので、わかりやすい上記構図しか抜き出せなかったけれど、こういうのは他にもありそう。
ボスが黒いカラスで、れいが飼っているのが青黄緑のインコ(赤色がない)とかも、たぶんシナリオを意識したカラーリングだろうし。そもそもアローン(独り)に対抗するのがドッキング(結合)って時点で、設定のお遊びを色々と仕込んでるってのは推察できる。
■ 他の作品──「さんかれあ」における墜落の対比
こういう墜落=落ちるを軸に対比する作品は他にもある。
「さんかれあ」のれあがゾンビになるきっかけは、崖から落ちたことだ。
その時、主人公の千紘は何もできず、見ているしかなかった。(画面右端)
その時の悔いを克服するのがさんかれあ8巻で描かれる。
落ちていくれあに手を伸ばし、千紘は墜落を食い止める。
これは1話でのトラウマの直接的な克服という意味合いを持つ。
(『さんかれあ』のアニメに関してはこれ以外にも、物凄く沢山の暗喩や対比があるんだけれど、今は語る時間がないのでまたいつできたら。……できるのかいね……)
■ 対比構図やその他分析について
さて……。
ビビッドレッドから始まって止まらなくなったいろいろな作品の構図分析だけれど、こういった箇所が自然に見えてくるようになると、キャラの心理の推察や、物語の分析、作者が言いたいことや、こっそり仕込まれたお遊びのへの理解が進み、作品がより面白く読める。
こういう「気づき」は物凄く堂々と書かれていても、意外と見落としてしまったりする。
たとえばゆゆ式。
12話でのアイキャッチなんだけど、これ各キャラの視線が好きな人を向いていたり。(『ゆゆ式』のアニメって軽く流されているけれど、あれスタッフ陣がゆゆ式という作品を妥協なく考えて作った逸品。分析結果を全部上げたいけど……時間ない……)
たとえば『ニセコイ』の漫画版。
このシーンとこのシーン、台詞が似た風に合せられていたりする。
言った二人の怒りの大きさ=怒鳴ってしまうほど想いの度合いは同じ、的な意味なのだろう。(両方とも、その時一番大事に思っているものに関する会話での怒りだしね)
咲-saki-関連の構図分析は、このブログにいくつかありますので、よろしければ御覧ください。
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