我々百合百合探検隊は、またしても新しい百合ん百合んなエピソードを発見してしまった。
そのことを説明する前に、まずは「トップと三万点差になった場合、デコに油性」と宣言された上重漫と末原恭子の二人について追いかけてみたいと思う。
まず書かれていたのは「卯」の文字。
つまり、一回戦も三万点差以上に引き離されたことがわかる。
想像の中で「次に書かれる」と思ったのは「辰」の文字。
「卯」の次に「辰」なので、これは十二支──「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の順に書かれているのだと推測できる。
また、全国編1回戦で「卯」だったことから、南大阪大会で三万点差以上に広げられたのは、「子丑寅」の三回だったと推測できる。
ところが、その法則は破られることになる。
二回戦が終わって、書かれたのは「未」の文字。
「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の順番でいくとしたら「辰」の文字だったはずだが、「辰巳午」と三つも飛ばしての「未」なのだ。
これ……どういう意味があるのだろうか。
結論から言おう。
これまず確実に、「アニメスタッフの演出ミス」である。
厳しいようだが、「未」と書くように指示した人は、末原恭子の策略にひっかかって文字と流れのみを追いかけてしまった。その裏に隠された原作の芸術的とも言える細かな百合の香りを嗅ぎ取れなかったのだ。
何を言っているかわからないって思った人は、原作ではどう描写されているかを見て欲しい。
おわかりいただけただろうか?(心霊番組風に)
「未」の上の二の部分の長さが揃えられ、「未」とも「末」ともつかない文字になっている。
「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」なので「未」と思いがちだが、これはあえてこのように、どっちつかずに書かれているのだ。
結論から言おう。
末原恭子は自分の名前の「末」を上重漫のおデコに書いたのだ。
まるで、自分のものと言わんがごとく──。
(それまで十二支を書き続けてきたことは「未」がありうると思わせる前振りだった。実際アニメスタッフがその法則性っぽいものにひっかかり、「未」と描いてしまうほどに)
ここで末原恭子の心情をおもんぱかろう。
末原恭子は上重漫に恋をした。
だが彼女は名門姫松の参謀である。
試合を前に恋にうつつを抜かすなんてことはできやしない。
そこで思いついたのが罰ゲームを利用したお遊びだ。
三万点差が開くたびに十二支の順に文字を書くことにすれば、8回目の「未」の時に、少し上の棒の長さを「間違え」て、あの可愛らしいおデコに自分の名前を書くことができる……。
「こんなん本当にええんやろか。自分の名前を書くなんて……」
夜のベッドで一人恥ずかしがりながら、何度もその時のことを考えただろう。
その時の末原恭子の内心たるや……。
ここに素晴らしき百合の香りを感じないでどうするか!(ドンっ)
しかも、である!
先ほどのコマ割りをもう一度よく見ると、末原恭子と上重漫の二人が、原村和と宮永咲の二人と対比させられていることに気付く。
長野決勝副将戦におけるキャラ構図の見事さについてでも述べたように、コマ割りが合わせられている場合、(基本的には)それらは比較されるべきものという漫画的表現。
簡単に言い換えると、「末原恭子と上重漫のカップリング」は「原村和と宮永咲のカップリング」と類似だと表現されていることになる。
更にいえば……。
別カットでは、明らかに「末」。
アニメスタッフ、やらかしてるやん!
そしてこの記事もっ。
二本ともにぴったり揃えられてたわけじゃなかったやん!
……ともあれ、これで末原恭子の意図ははっきりした。
トップと三万点差になったら行う罰ゲームは、最終的にデコに油性で「末」と書きたいがために始められた遠謀深慮であり、あまりにも複雑で乙女じみた、甘い恋の形だったのだ!
■ まとめ
結論。
かわいい額に名前まで書かれちゃった上重漫ちゃんは末原恭子のもの。
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【百合百合探検隊の最新記事】
末か未か判断しかねるようにあえて描いたという案はすばら!
もとより百合百合探検隊シリーズの文体が百合を追い求めて前のめりかつ上から目線という設定で書いているからだと思います。知らんけど。
名無しさま
ありがとうございます。
通りすがりのヤクサム
もう一つの方の「末」も両端が揃えられていたら、すごい面白い考察だったんですけどねー。残念ながら二枚目は、明らかに「末」とわかる形になっているようで。
ななしさま(お二人)
せやろー? さすがやろー?
ジャファーさま
それは素敵な視点!
記事を書くときに、そのアイディアを書けなかったことが悔やまれるほどに。
というかよく気づいたなあと毎回驚かされます
ありがとうございます!
ですが、この記事に関しては実は逆で、最初からずっと「末」だと思っていたところ、アニメで「未」だったので、おやあ……? と…………。