2017年06月01日
江崎仁美は愛宕洋榎のポンに対し、どうして「でしょうね」と言ったのか?
咲-Saki- 第175局「氷炭」で江崎仁美から発せられた謎台詞「でしょうね」。
この「でしょうね」が自然な台詞だった状況を考えたところ、こうだったのではないか……という状況を思いついたのでまとめてみます。
■ 愛宕洋榎はあえて5筒を切ったのではないか?
結論から言うと、愛宕洋榎は二人のリーチに対し、通っていないをずばっと切った可能性が高いと考えています。
そう仮定すると、「でしょうね」というのはかなり自然な台詞だと思いますので。
どうしてそうなのかを説明していきます。
まず、考えるべきは江崎仁美の切りです。作中提示されている状況(捨て牌)からするとは危険牌であるにもかかわらず、江崎仁美は普通に切っています。江崎仁美の守備力がザルというわけでもないでしょうから、何かしらの「通る」という読みがあったと考えるのが自然です。
それから、愛宕洋榎のポン仕掛けに対して「でしょうね」というからには、江崎仁美側の読み以外に、愛宕洋榎の何かしらの行動が絡んでいると考えたほうが自然です。
この二点が押さえた上で、考えを進めていきます。
もちろん「江崎仁美が福路美穂子クラスの手牌読み使いで、全員の手の内を完璧に読みまくった結果、安全牌かつ愛宕洋榎が鳴けそうな牌を切った可能性」もあるにはあるのですが、それだと江崎仁美が同卓している江口セーラと愛宕洋榎を相手にしてもその手牌を読み切れる強キャラということになります。
それは今までのキャラ表現とは少しずれる気がしますので、もっと自然に手の内からを出せてかつ、「でしょうね」という台詞が自然に出てくるようなシチュエーションがあったと考えたいです。
とすると、どういう状況が考えられるでしょうか。
重ねることになりますが、また結論から述べます。
何が通るかをわかっている愛宕洋榎は、「江崎仁美に安全牌を作らせた上で、自分が対子で持っているを引き出すためにを切った」んだと思います。
(今までの打ち筋から推察するに、愛宕洋榎の能力は危機察知。相手の当たり牌を上手くかわす能力が備わっていると考えられます。なので、が通るのは確信していたのではないか……と)
場にが出ている状況であれば、江崎仁美がを切ることは自然な範疇と思いますので。
さて。
愛宕洋榎がを切った……と仮定すると、江崎仁美はどう考えるでしょうか。
はっきり言って不気味。
愛宕洋榎があえてを切った理由を考えざるを得ません。
以下、江崎仁美の視点から考えてみると──。
(1)愛宕洋榎もテンパイしているのでを勝負してきたというケース。
(2)江崎仁美をなかせて以降のツモ牌をずらすために、あえて愛宕洋榎がど真ん中のを切ったケース。
(3)安牌が少ないため、愛宕洋榎が自分の都合としてを切ったケース。
(4)愛宕洋榎があるいはを対子で持っており、江崎仁美からそれらの牌を引き出してツモ順をずらしたいがために切ったケース。
などが考えられます。
まず(1)の愛宕洋榎がテンパイしているケースですが、まずこれを警戒すると思います。
愛宕洋榎は結構飄々としているので、のスジとしてを切ったら、「おう、そんなの出てくるんかい。タンヤオドラ2、5200ついでにリー棒二本もらいや」と言われ、和了られるとかありそうです。
ですが、江崎仁美からみて、それはないと思える場の空気があったのかもしれません。(江崎仁美の手の中にが3枚あるなどして、で当たられる可能性が少なかったとかでしょうか)
つぎに(2)。江崎仁美をなかせるために、をあえて切ったというケース。
これは充分考えられたと思います。
リーチがかかった時、完全に降りるつもりときでも、字牌や端牌といった鳴かれにくそうな安全牌ではなく、下家に鳴かれやすそうな牌から切り、一発を消してくれるのを願う……という打ち方をする人いますし。
そして(3)。安牌が少ないため、自分の都合としてを切ったケース。
二人のリーチに同時に通る牌がまったくないので、自分の都合でど真ん中を切ったってのも充分考えらます。
正直、以上の三つのどの可能性も消し辛いです。
特に、愛宕洋榎は表情や態度や打ち方からテンパイの有無は読めないでしょうから、どれもあり得ると思います。(それどころか、「なんでローピンやねん!」の台詞にあるように、微妙な口三味線気味の言葉もためらわないようですし)
ですが、それを踏まえてもが切られていると仮定するなら、そのスジであるが通りやすくなったのは事実です。
その上で、(4)──「愛宕洋榎があるいはを対子で持っており、それらの牌を引き出してツモ順をずらしたいがためにを切った」可能性に思い当たったならば、江崎仁美があるいはをあえて切るという選択は充分ありえたと思います。
そして、その上で鳴かれた場合、「でしょうね」の言葉は凄く自然じゃないだろうか……とも。
仮定に仮定を重ねている感じになってしまいましたが、愛宕洋榎がを切り、その意図を汲んだ江崎仁美の上手な切りだったんじゃないか……、だからこそ「でしょうね」という言葉がでたんじゃないか……というのが、このブログでの推察です。
■ おまけ:江崎仁美が手牌読みをした可能性
2017年06月05日追記。
おまけですが、江崎仁美が手牌読みをしていた可能性について考えてみます。
「江崎仁美が切る場所からの推理で、愛宕洋榎がを二枚持っている可能性に思い至った」という可能性も考えられます。
ですが、愛宕洋榎がポンをして倒した二枚の場所を踏まえると、難しそうです。
愛宕洋榎の切った牌がだったと仮定します。(江口セーラの現物ですから、降りてはあり得ます)
その上で──。
ツモ牌
このように端から三枚目にあったを切ったと仮定します。
その場合、残った端の二枚(←側の二枚)はその内側である可能性が高いです。
組み合わせ的には、 か か 。(実は絡みもありますが、割愛)
そうであるなら か を切れば、愛宕洋榎に鳴いてもらえる可能性が高い……と江崎仁美が考えてもおかしくはありません。
江崎仁美が読み切った上で鳴かしていることになるため、「でしょうね」の台詞も納得できます。
が……。
今回の場合だと、愛宕洋榎がな鳴いて倒した二枚は、端から4枚めと5枚目の牌でした。
端付近にある牌ならまだしも、真ん中気味なので、切り出し場所からの推理は難しいです。
(なお、福路美穂子なら、一巡目から切り出し順や並べ肩を覚えて読み切っていた可能性もあります。ですが、江崎仁美のキャラ描写的に手牌読みをしている可能性は少なく、キャラの強さ表現としても少し合わない感じがします。簡単な手牌読みなら、ちょっとした上級者ならリアルでもやってきますから、咲世界のキャラならできたとしても納得できるのですが、今回の場合は可能性は少なそうです)
なのでやはり、先の考察で述べた、愛宕洋榎のを切りを受けての、江崎仁美による切りという、互いに空気を読んだ一発消しコンビネーションもどきと言う可能性が高いんじゃないかなあ……と思うのです。
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